古都の響き、現代の装い 町家ホテルYANAGI
京都市右京区西院上今田町18番12号

ホテルの紹介
町家ホテルYANAGIは、大正11年に建てられた2階建ての伝統的な京町家を改装し、古い日本家屋の特徴と現代の快適さとデザインを合わせた「和モダン」の一棟貸しホテルです。日本の古都と文化の中心として知られている京都の西院にある治安の良い静かな住宅街に位置しております。
ホテルの概要
建物の面積は約 78㎡で京町家の中では大きい部類ですので、数人でのお泊りも可能です。定員数は 7名様ですが、お一人でもお二人でも、少人数のグループでももちろんご利用頂けます。建物を丸々貸切る「一棟貸しタイプ」ですので、YANAGIがお客様のプライベートな空間となり、お二人だけの場所を望むカップルや大事な家族と一緒に時間を過ごしたい方にもぴったりです。
また、ホテルの一階部分は完全にバリアフリーとなっており、障がい者・健常者・老若男女問わず、どなたでもご利用頂けます。玄関にはスロープを用意しておりますので、車イスをご利用の方もどうぞお越し下さい。
各部屋のご紹介
町家ホテルYANAGIのぞれぞれの部屋には特色があり、こちらでは各部屋に用意されている設備やアメニティを含め簡単にご紹介致します。
玄関
YANAGIへの引戸を開くと、「ようこそ」と言うように木の温かい雰囲気と真っ白な壁が現れてきます。お履き物をお脱ぎになる前に、左側に足元の方にある細長い押し入れのようなところが目に入ります。蓋を開けてみるとスロープが入っており、車イスをお使いの方はどうぞスロープを引き出しお上がり下さい。ご利用にならない方々は、スロープ入れを靴入れとしてお使いになってもかまいません。
お部屋へ上がると、右側の方にご予約頂いた方の、人数分の室内用スリッパをご用意しております。手前にあるカウンターは、簡易キッチンの一部でもありますが、こちらで小さい蓋付きかごの中にアメニティの一部を準備しております。お客様の数に合わせた歯磨きセット(歯ブラシ、歯磨き粉)とボディスポンジ、そしてヘアドライヤー 1台が入っており、ご自由にお使い下さい。
カウンターの下部にあるガラス張りの展示品入れには、Ewenny Pottery(エウェニー・ポッテリー)という、イギリスのウェールズ地方にある窯元の職人により作られた陶器を飾っております。Ewenny Potteryはウェールズ地方最古の窯元であり、約 400年にわたり陶芸の技術を世代から世代へと伝承してきた職人たちが、古くから愛されているマグカップやお皿などの、日常生活に自然的に溶け込む食器を日々作り続けています。Ewennyの伝統的な陶器を初めて日本へと輸入し、こちらで販売している会社職人たちのいる処との提携を通じ、町家ホテルYANAGIではEwennyの陶器の展示・代理販売を行わせて頂いております。ご興味のある方は、どうぞお気軽に職人たちのいる処、またはYANAGIへご連絡下さい。職人たちのいる処公式ホームページは、こちらからご訪問できますの、ご利用下さい。
キッチン
お部屋へ入ると、手前にはまずキッチンがあります。調理台としてご利用頂けるカウンターは、「モールテックス」という素材でできております。漆喰のような見た目を目指し使用しております。
シンクでのハンドソープや洗剤の提供はもちろんのこと、カウンターの内側はタンスになっており、中には電気コンロ、鍋付きフライパンセット、包丁とまな板、そしてお玉などの簡素な調理器具を用意しております。2階への階段の下には冷凍冷蔵庫、電子レンジ、電気ケトル、またコーヒードリッパーとフィルターが準備されており、ご自由に動かせるキャスター付きワゴンには布巾やお箸とコップなどの食器類が入っております。
リビング・ダイニングエリア
YANAGIのリビングダイニングはシンプルで快適な、木の温かい雰囲気を活かした家具が用意されており、広々とした空間となっております。座り心地の良いソファがくつろぐように誘い、ぬくもりを感じさせてくれるランプの明かりの下で、その横に置かれている京都の写真集をゆっくりとめくり、次の観光の行き先を決める為のインスピレーションを受けてみていかがでしょうか。
ダイニングテーブルは幅が広く、大人数での食事や飲み会にも、作業台にも使いやすいです。
寝室は3部屋(洋室2部屋、和室1部屋)ご利用頂けます。簡易キッチン、ダイニングエリア・リビング、ユニットバス、トイレ・洗面所(1階と2階にございます)、そして小さな坪庭がホテルの中にあります。
それぞれの部屋と寝室に特色があり、お客様がお気に入りの方をお使い頂ければ幸いです。1階の洋室は少し暗めのお部屋であり、落ち着いた雰囲気の中でくつろいで頂けます。2階にある和室と洋室は明るく、畳の香りにあふれるお部屋も開放感のある広い洋室もどうぞご利用下さい。
ホテルの特徴
町家ホテルYANAGIにはいくつか特徴があり、こちらではご紹介致します。
坪庭―憩いの場、交流の場
居間から目を外に向けると、坪庭という小さな中庭が見えてきます。町家構造の特徴である坪庭は屋敷内の塀や建物の壁で囲まれ、建物の内部に光や風を採り入れるために造られます。幅があまり広くないため、築山を築かない平坦な形に造られた平庭というタイプが多くあります。YANAGIの坪庭も同様囲まれており、外部の目線からお客様をしっかりと守ってくれますので、お客様だけのプライベートな空間となります。中には小さな池があり、縁側風の低い壁を巡らしております。のんびりしたお食事やお昼の日向ぼっこなどに、ゆったりしているところとして設けております。また、天気晴朗の日には池をお手前座として使い、ご予約頂いた方なら煎茶のお手前・煎茶教室を行わせて頂きます。
YANAGIの坪庭を憩いの場、そして交流の場としてご利用頂けると幸いです。
吹抜―広々と明るい、開放感を与えてくれる空間
吹抜とは、下階部分の天井と上階部分の床を設けないことで、上下を連続させたスペースのことです。一般的に通風や採光を高め、空間的な広がりと上下階の連続性を演出できるために用いられます。少し手狭な日本の古い家屋が、時折持たせてしまう圧迫感から開放させてくれる効果がありますので、YANAGIでは2階のお部屋の間が大きく空くような吹抜を造ることにしました。そのため、居間では空を見上げるように上向くと、数十年も屋根の瓦を支えてくれた昔ながらの天井の木材が見え、広々と明るい空間が一息つくように誘ってくれます。
橋―心が静まる、ご観賞の通路
2階にある和室と洋室が、吹抜で大きく分けられ、天井までスペースが空きますが、キッチンの奥にある階段を上がると、吹抜を渡る橋があります。特別に造って頂いた橋もYANAGIの魅力の一つであり、ホテルの空間に唯一無二の雰囲気を与えてくれます。ホテル全体のデザインの元となる「水」のイメージにも繋がり、川を渡るように吹抜を渡ることができます。
橋の半ば場にたどり着いたら、ぜひ途中で足を一度止めてみて下さい。その日のお天気や時間帯とともにお部屋の雰囲気も変わり、季節や年中の様々な機会に合わせた絵画や屏風も飾りますので、じっとご身辺を眺めながらご観賞頂ければと思います。
ホテルのデザインについて
「和モダン」のお宿として、YANAGIはデザインにこだわり、沢山の方々の手を加えて頂きました。
2階にある襖絵は唯一無二のもので、優秀な若いアーティスト、新宅加奈子さんにより描いて頂きました。
ALIANA設計事務所の方々にも大変お世話になり、デザイン性にあふれる非日常的な空間を創っていただきました。